「今月はちょっとお金が足りないけど、来月には余裕があるから大丈夫!」
そんな軽い気持ちで、クレジットカードのリボ払いを利用しようとしていませんか?
実際、家計が一時的に苦しいとき、リボ払いなら、月々の支払いを一定額に抑えられると聞くと、安心して使えるものだと思ってしまうかもしれません。
しかし、その便利さの裏には、安易に手を出してしまうと、高金利と返済地獄で苦しむという、落とし穴がひそんでいます。
この記事では、リボ払いの仕組みから危険性、借金に頼らず暮らすための方法を、わかりやすく解説していきます。
リボ払いの利用を検討している方、すでに利用している方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
✅リボ払いは、借金の中でも高金利
✅少額の利用でも、使い続ければ返済地獄に続いている
✅借金に頼らないような家計を作ろう
✅借金の返済が難しい場合は、家族や法律家を頼ろう

これらについて、順番に知っていきましょう
リボ払いとは?仕組みと巧妙な罠
リボルビング払い(リボ払い)は、月々の支払額が一定で、安心して買い物ができると思ってしまうかもしれません。
ですが、リボ払いでは、年15%という非常に高い金利が毎月上乗せされています。
そのため、知らず知らずのうちに、返済総額が2倍以上になるケースもあるのです。
借金しているつもりはなかったのに、いつの間にか返せない額に膨らんでいた、ということが少なくありません。
リボ払いの基本的な仕組み
リボ払いは、利用残高にかかわらず、月々の支払額を一定にする支払い方法です。
たとえば、10万円の商品を購入しても、月1万円の支払いで済むように、設定することができます。
このとき、前の月の残高には利息がかかり、毎月の返済のうち一部が、利息分として差し引かれるため、元金がなかなか減らないという特徴があります。

リボ払いって、返済しないといけない金額が減りにくいんだね~

リボ払いを返済するときに、どういうふうに返済されるかを見てみよう
実際の返済シミュレーション
下記の表は、10万円の買い物を年利15%のリボ払いで支払い、月々1万円を返済する場合の一部シミュレーションです。
※実際の返済額はカード会社や利用条件によって異なりますので、あくまで一例としてご確認ください
月数 | 利用額 | 返済額 | 利息 | 元本 | 残額 |
---|---|---|---|---|---|
利用月 | 10万円 | – | – | – | 10万円 |
1 | – | 月1万円 | 1,250円 | 8,750円 | 91,250円 |
2 | 1,140円 | 8,860円 | 82,390円 | ||
3 | 1,030円 | 8,970円 | 73,420円 | ||
4 | 920円 | 9,080円 | 64,340円 | ||
5 | 800円 | 9,200円 | 55,140円 | ||
6 | 690円 | 9,310円 | 45,830円 | ||
7 | 570円 | 9,430円 | 36,400円 | ||
8 | 450円 | 9,550円 | 26,850円 | ||
9 | 370円 | 9,630円 | 17,220円 | ||
10 | 290円 | 9,710円 | 7,510円 | ||
11 | 90円 | 9,910円 | 0円 |
リボ払いでは、月々の返済をしても、利息が多くかかってしまい、元金がなかなか減りません。
そして、返済期間が長くなり、支払総額がどんどん増えてしまう仕組みになっています。
返済途中に追加でリボ払いを使うと、さらに利息がかかり、返済期間や支払総額が増えてしまい、返しても返しても、返済が終わらないという悪循環におちいることにも注意が必要です。

最初のほうが、利息の支払いが多いんだね~

最初というより、返済残高が多いと、返済した金額から利息で引かれる分が多くなるよ
他のローンと比べても異常に高い金利
リボ払いの金利は年15%前後と、かなり高めに設定されています。
以下の表で他の借入方法と比較してみましょう。
借入先 | 金利 |
---|---|
リボ払い | 約15% |
消費者金融 | 約15% |
キャッシング | 約15%~18% |
マイカーローン(ディーラー) | 約3%~5% |
住宅ローン(フラット35) | 約1.5%~2% |
つまり、リボ払いは、消費者金融と同じか、それ以上に高い金利でお金を借りていることになります。
このように比較すると、本当にリボ払いをしてもいいのかなと、考えてしまいますよね。

リボ払いの金利って、かなり高いんだね~

支払いのしやすさにかくれて、金利は消費者金融と同じくらいというところは注意だね
少額返済の安心感が生む負の連鎖
金利が高いとしても、少額の利用であれば問題ないのでは?と感じる人もいるでしょう。
たしかに少額であれば、手数料がかかったとしてもごくわずかですし、すぐに返済できそうな気になると思います。
ですが、このほんのちょっとが、大きな落とし穴になってしまうのです。
月1万円なら大丈夫が落とし穴
多くの人がリボ払いを使い続ける理由は、「月1万円程度なら払える」と思ってしまうからです。
ところが、毎月新しい買い物を追加していると、借入残高はどんどん増え、利息だけで毎月数千円〜数万円にもなります。
リボ払いは、小さな金額の利用も注意!
最初から大きな金額のリボ払いをしてしまう人は、ごくわずかです。
小さな金額のリボ払いに慣れて、少しずつ利用頻度が多くなったり、利用金額が多くなったりすることで、雪だるま式に借入残高が増えていってしまうのです。

小さな金額なら、リボ払いでも大丈夫かと油断してたよ~

ほとんどの人は、小さな金額から使っていって、徐々に大きな金額のリボ払いになってしまっているんだよ
返しても返しても借入残高が減らない
リボ払いの残高があって、さらに追加のリボ払いをしてしまうと、利子が増えて、借入元本が減りにくくなってしまいます。
リボ払いでの支払いを続けている限り、がんばって返済しても、借入残高が減らないという状態になるのです。
返済1か月目以降、毎月1万円ずつリボ払いを利用し続け、毎月の返済額を1万5千円に増やす場合のシミュレーションをすると、下記のようになります。
月数 | 利用額 | 返済額 | 利息 | 元本 | 残額 |
---|---|---|---|---|---|
利用月 | 10万円 | – | – | – | 10万円 |
1 | 月1万円 | 月1万5千円 | 1,250円 | 13,750円 | 101,250円 |
2 | 1,327円 | 13,673円 | 112,577円 | ||
3 | 1,365円 | 13,635円 | 118,212円 | ||
4 | 1,481円 | 13,519円 | 124,731円 |
このように、返済額を少し増やしただけでは、借入残高が増えていくだけ、ということが起きてしまうこともあるのです。

使った金額より多く返しても、返済しないといけない金額が減らないこともあるんだ~

金利が高い分、リボ払いを使い続けると、返済残高を減らすのは大変だよ
リボから抜け出すために、借金に頼らない家計をつくろう
リボ払いを使わないようにするためには、リボ払いに頼らない家計をつくることが大切です。
とはいえ、実際に借金に頼らないようにすることは、簡単なことではありません。
覚悟をもって、しっかりと家計を見直していくことが必要ですよ。
まずは家計を把握しよう
借金体質を変えるためには、ご自身の家計を把握することが大切です。
家計簿をつけて、どのようなものにお金を使っているのかを、しっかり把握していきましょう。
使う家計簿については、手書きの家計簿や、家計簿アプリなど、さまざまなものがあります。
ご自身に合うものを選んで、しっかりと家計簿をつけてみましょう。
手書き家計簿のメリット・デメリット
手書き家計簿のメリット
✅お金を使っている実感がわきやすい
✅書くことによって、記憶に残りやすくなる
✅自分に合ったスタイルで、自由に記入ができる

家計簿を書くと、お金を使っちゃってるっていう意識がわくね~
手書きの家計簿のデメリット
✅自分で集計を出さないといけない
✅記入が大変で、継続が難しい
✅過去の支出の分析をしにくい
✅外出先での記入が難しい

家計簿を書くだけで満足しちゃうし、自分だけでやると、三日坊主になりそう
手書きの家計簿の1番のメリットは、ご自身がお金を使っているという実感がわきやすいことでしょう。
家計簿をつけてみることで、いかにお金を使っているかを直視することになります。
また、手書きで家計簿をつけることは、とても面倒くさいことです。
家計簿をつけるために、普段の買い物の回数を減らすなどをしないと、家計簿をつけること自体が苦になってしまいます。
そのため、継続をしにくいというデメリットもあるので、注意したいですね。

手書きの家計簿を続けるには、お金の使い方の工夫が必要です
また、家計簿をつけるだけで満足しないように、家計の改善にも、つなげていきたいですね
家計簿アプリのメリット・デメリット
家計簿アプリのメリット
✅1度登録すれば、自動でキャッシュレス決済のデータを取り込める
✅リアルタイムで支出の管理ができる
✅グラフやレポートで、わかりやすいく支出の傾向を確認できる
✅スマートフォンで簡単に利用できる

キャッシュレス決済と連携できるのは、楽でいいよね~
家計簿アプリのデメリット
✅アプリによって、ご自身のスタイルと合わない可能性がある
✅自動で連携されるため、手書きの家計簿とくらべ、お金を使っている感覚が少ない
✅うまくデータ連携できないと、使い勝手がよくない

アプリがいっぱいあって、どれを選べばいいかよくわからないな~
キャッシュレス決済との連携も、操作がちょっとむずかしいかも~
家計簿アプリは、クレジットカードやキャッシュレス決済などを、1度登録すれば、自動で連携してくれます。
アプリ内でデータが管理されるため、支出の集計は自動ですし、グラフなどで視覚的にも、お金の使い方の傾向を確認できるというメリットがあります。
デメリットとしては、データの連携がうまくできないと、結局入力の手間が増えてしまいます。
また、家計簿アプリはさまざまあり、ご自身に合うアプリを探しだす必要もありますね。

家計簿アプリは、種類がいろいろあって悩むと思います
マネーフォワードMeなど、有名なアプリから使ってみて、自分に合うものを探してみましょう
支出を見直して、リボ払いの利用を減らしていこう
お金の使い方が見えてきたら、実際に支出の見直しをしていきましょう。
まず、大切なのは、固定費を見直すことです。
当たり前と思っている支出でも、実は不要な固定費や、見直して金額を下げられるものがあるはずです。
この固定費を下げるのは無理とは思わずに、どうにかして固定費を下げられる方法はないかを、徹底的に調べてみましょう。
固定費の見直しは、この記事もチェック!
【ライフプランのお悩み相談#2】家計見直しをしたいのですが、どこから見直せばいいですか? | Sのお金の本棚
次に、毎月変わる変動費も見直しましょう。
✅まわりを気にして、必要以上の品質のものを購入していないか
✅満足度の低いものを買ってしまっていないか
✅コンビニなどの利用が多くなっていないか
ご自身にとって、満足度の低い支出を減らすことが大切ですよ。

ついついやっちゃってることが、色々ありそ~

変動費は、満足度の低いものを減らして、満足度の高いものに使っていきたいね
自分だけで借金を返しきれないときは
リボ払いをやめて、支出の見直しをしても、どうしても自分だけでは借金を返しきれないことがあります。
そのときは、どうすればいいのでしょうか。
家族に相談しよう
借金があるということを相談するのは、ご家族であってもハードルがあるでしょう。
それでも、1人で抱えると精神的にも、金銭的にも、負担が大きくなっていきます。
ご家族に相談することで、アドバイスや金銭的なサポートをしてもらえることもあります。
借金を返したいという気持ちを、誠心誠意ご家族に相談してみましょう。

親とかには、なんか話しづらいな~

たしかに話しづらいかもしれないね
だからこそ、ご家族にはちゃんと話してみないとね
債務整理を検討しよう
ここまでして、どうしても借金を返していけないときは、弁護士や司法書士に依頼をして、債務整理を検討しましょう。
債務整理の方法には、それぞれメリット・デメリットがありますが、依頼する先生に相談しながら、最良の方法を検討してもらいましょう。
任意整理
任意整理とは、借金の返済が困難になった人が、弁護士や司法書士を通じて貸金業者と交渉し、返済条件を見直す手続きです。
裁判所を介さないため、手続きが比較的スムーズに行えます。
主に将来利息のカットや毎月の返済額の軽減が目的で、原則として元本は減額されません。
個人再生
個人再生とは、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、3~5年かけて返済していく債務整理の方法です。
住宅ローンを抱えている場合でも、条件を満たせば、マイホームを手放さずに借金整理が可能な場合があります。
継続的な収入が見込め、借金の総額が5千万円以下の人は、条件に該当するかもしれません。
自己破産
自己破産とは、借金の返済が完全に不可能な状態になった人が、裁判所に申し立てて、借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
返済義務の免除が認められると、税金など一部を除いた、ほとんどの借金の返済義務が免除になります。
ただし、デメリットもあるので、依頼する先生と、よく相談しながら、活用を検討しましょう。

借金で首がまわらなくなったら、自己破産するしかないと思ってたけど、いろいろな方法があるんだね~

弁護士や司法書士の先生と、しっかり話をして、1番いい方法をみつけようね
まとめ
✅返しやすいと思ってリボ払いを使うのはNG
✅リボ払いを続けると、返済額を増やしても返済残高が増えることがある
✅少額の利用からリボ払いの借金地獄につながるので要注意
✅家計簿をつけて、借金に頼らない家計をつくろう
✅どうしても借金を返せないなら、任意整理の制度を検討しよう

S先生ありがとう!
リボ払いのこわさが、なんとなくわかったよ!
さっそく、クレジットカードのリボ払いの設定を解除してくるね!
そうと決まれば「猪突猛進!」

リボ払いは、小さな金額から返済ができて、使いやすいものに感じるかもしれません
でも、金利が高く、返済額もふくらみやすいので、安易に手をだして苦しい思いをしないように気を付けましょうね
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