会社を退職したとき、生活を支える雇用保険の給付は、必ず押さえておきたい制度です。
しかし、「手続きを忘れていた」「タイミングを逃した」などで、本来もらえるはずのお金を受け取れない場合があります。
正しい知識を持って適切な手続きをしないと、少ない手当しかもらえず損をするかもしれません。
この記事では、雇用保険の失業等給付をもらうための具体的な手続きや、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
失業中の不安を減らし、次のステップへ進むために、ぜひ最後まで読んでみてください。
✅失業保険(基本手当)はハローワークでの申請が必須!早めの手続きが大切
✅雇用保険の加入期間と離職理由で受給額や期間が決まる
✅失業認定には「求職活動実績」が必須!サボると支給停止に
✅早期再就職なら「再就職手当」で最大70%のボーナス支給も
失業したら貰える雇用保険の失業等給付とは?
会社を退職して「失業保険をもらう」と聞くことがあると思いますが、正しくいうと「雇用保険の失業等給付」を受給することを指します。
失業等給付には、次のようなの種類があります。
給付の種類 | もらえる手当 |
---|---|
求職者給付 | ・基本手当 ・特例一時金 ・日雇労働求職者給付 ・高年齢求職者給付 など |
就職促進給付 | ・就職促進手当 ・移転費 ・求職活動支援費 など |
教育訓練給付 | ・教育訓練給付金 |
雇用継続給付 | ・高年齢雇用継続給付 ・介護休業給付 |
このうち、会社員が失業したときに受給できるのが、求職者給付の「基本手当」です。
基本手当は、次の仕事を安心して探すための重要な給付ですが、一定の要件を満たす必要があります。

失業したときにもらえる手当って、いろいろ種類があるんだね〜

その中で、多くの人に関係するのが、求職者給付の基本手当だよ
一般的には、失業保険といわれている手当だね
雇用保険の「失業」とは?
雇用保険上の「失業」とは、
✅離職していること
✅働く意思と能力があること
✅積極的に求職活動を行っていること
の3つを満たす状態を指します。
そのため、仕事探しをせず、就職する努力をしないで、単に職を失っただけでは「失業」とは認められないのです。

えっ⁉️
会社をやめたら失業じゃないの⁉️

あくまで雇用保険制度としては、条件を満たしていないと失業と認定されないんだよ
基本手当を受給できる条件は?
基本手当の受給するには、次の条件を満たすことが必要です。
被保険者期間が、離職前2年間のうち通算12か月以上あること
※倒産・解雇など会社都合による離職の場合は、離職前1年間に6か月以上の被保険者期間で受給資格を満たします
ハローワークで求職の申し込みと受給資格決定を行うこと
失業状態であること(積極的に求職活動をしていること)

基本手当をもらうのに、いろいろ条件があるんだね〜

転職した人などは、雇用保険をかけた期間に注意が必要だね
基本手当はどれくらいもらえるの?
基本手当は、今までもらっていた給料の金額をそのままもらえるわけではありません。
基本手当の日額=賃金日額×給付率
賃金日額は、離職前6か月間に支払われた賃金総額÷180日で算出します。
60歳未満の基本手当の日額は、賃金日額の50%~80%で決まります。
また、退職した時の年齢によって、賃金日額の上限額や給付率が異なります。
賃金日額の上限額 | 賃金日額ごとの給付率 | ||
---|---|---|---|
離職時の年齢 | 賃金日額の上限額 | 賃金日額 | 左記の賃金日額 の範囲の給付率 |
29歳以下 | 14,130円 | 2,869円以上 5,200円未満 | 80% |
5,200円以上 12,790円未満 | 50%~80% | ||
12,790円以上 14,130円未満 | 50% | ||
14,130円超 | 基本手当の上限額が支給される |
賃金日額の上限額 | 賃金日額ごとの給付率 | ||
---|---|---|---|
離職時の年齢 | 賃金日額の上限額 | 賃金日額 | 左記の賃金日額 の範囲の給付率 |
30歳以上 45歳未満 | 15,690円 | 2,869円以上 5,200円未満 | 80% |
5,200円以上 12,790円未満 | 50%~80% | ||
12,790円以上 15,690円未満 | 50% | ||
15,690円超 | 基本手当の上限額が支給される |
賃金日額の上限額 | 賃金日額ごとの給付率 | ||
---|---|---|---|
離職時の年齢 | 賃金日額の上限額 | 賃金日額 | 左記の賃金日額 の範囲の給付率 |
45歳以上 60歳未満 | 17,270円 | 2,869円以上 5,200円未満 | 80% |
5,200円以上 12,790円未満 | 50%~80% | ||
12,790円以上 17,270円未満 | 50% | ||
17,270円超 | 基本手当の上限額が支給される |
賃金日額の上限額 | 賃金日額ごとの給付率 | ||
---|---|---|---|
離職時の年齢 | 賃金日額の上限額 | 賃金日額 | 左記の賃金日額 の範囲の給付率 |
60歳以上 65歳未満 | 16,490円 | 2,869円以上 5,200円未満 | 80% |
5,200円以上 11,490円未満 | 50%~80% | ||
11,490円以上 16,490円未満 | 50% | ||
16,490円超 | 基本手当の上限額が支給される |
賃金日額によって、基本手当の給付率は変わり、最大でも80%の支給になります。
退職する前よりも少ない金額しかもらえないので、今までと同じ支出を続けては、生活が苦しくなってしまいます。

会社員だったときと同じ金額をもらえるわけじゃないんだね〜

人によっては、生活支出の見直しが必要だね
雇用保険をかけた期間でもらえる日数が変わる
雇用保険の被保険者だった期間によって、基本手当を受給できる日数が違います。
また、離職理由が自己都合か会社都合かによっても、基本手当の受給日数が変わってきます。
雇用保険をかけていた期間ごとの給付日数 | ||
---|---|---|
1年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
90日 | 120日 | 150日 |
離職時の 満年連 | 雇用保険をかけていた期間ごとの給付日数 | ||||
---|---|---|---|---|---|
1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - |
30歳以上 35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上 45歳未満 | 150日 | 240日 | 270日 | ||
45歳以上 60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上 65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
雇用保険の被保険者期間が長いほど、受給できる日数が増えます。
会社都合退職の場合は、年齢によっても、受給できる日数が変わることを知っておきましょう。

今まで雇用保険をかけてきた年数によって、基本手当をもらえる日数が変わるんだね〜

会社都合退職の場合は、年齢によっても日数が違うから、何日分もらえるかはちゃんと確認しておこうね
受給期間に注意!
基本手当を受給できる期間(受給期間)は、離職日の翌日から1年間です。
この期間内に給付日数分を受給しないと、もらい残している手当があっても、受給期間後は手当をもらえなくなってしまいます。
ただし、病気・ケガ・妊娠・出産などで30日以上働けない場合は、受給期間を最長3年間延長することができます。
自己都合退職の場合、7日間の待機期間に加えて、2か月間の給付制限期間があり、その間は基本手当を受給できません。
なお、2025年4月からは、給付制限期間が1か月に短縮されます。

2025年の4月からは、早めに基本手当をもらえるようになるんだね〜

早く手当がもらえる分、生活の不安が少し減るね
早めに再就職するとごほうびがもらえる
雇用保険には、「就職促進給付」として再就職手当があり、基本手当を受給している人が、早期に安定した職業に就いた場合に、手当が支給されます。
早く再就職することで、お得な手当をもらえるのです。
ギリギリまで基本手当をもらうのもいいですが、お得な手当をもらえるように早めの仕事探しをがんばりましょう。

再就職してもらえる手当が、何種類かあるんだね〜

再就職の状況によるけど、お得な手当だからもらえるようにがんばろうね
再就職手当の支給要件は?
再就職手当は、早めに再就職したからもらえるわけではありません。
支給要件を確認して、手当のもらえず損をしたなんてことがないようにしましょう。
再就職手当の支給要件 |
---|
基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること |
待機期間(7日間)満了後に就職したこと |
1年以上継続して雇用される見込みがあること |
過去3年以内に再就職手当を受け取っていないこと |
退職した会社に再就職していないこと |
早期の再就職を目指すなら、再就職手当の支給要件に注意しながら、求職活動をしていきましょう。

支給要件を満たさないともらえないのか〜

再就職が早すぎても遅すぎても、手当の対象にならなくなるから注意だね
再就職手当はどれくらいもらえるの?
再就職手当の支給額は、次のような計算式で決定されます。
基本手当日額 × 給付率(60%または70%)× 支給残日数
給付率は、所定給付日数の3分の2以上を残していると70%、3分の1以上残していると60%になります。
早めに再就職すれば、給付率も上がりますよ。
基本手当を最後までもらうよりも、早く就職したほうがトータルの受給額がお得になることがあるということを知っておきましょう。
会社をやめようと思ったら、弁護士監修の退職代行を利用しよう
ハローワークでの手続きはどうすればいい?
基本手当を受給するには、退職後すぐにハローワークで手続きを行う必要があります。
手続きには、次のような書類が必要です。
基本手当受給の手続きで必要な書類 |
---|
マイナンバーカード(または運転免許証などの本人確認書類) |
離職票(1・2の2種類) |
写真(3㎝×2.5㎝) |
預金通帳またはキャッシュカード |
マイナンバーカードがない場合は、個人番号確認書類(通知カードまたはマイナンバー記載の住民票)と身元確認書類(運転免許証・運転経歴証明書・官公署が発行した身分証明書など)を持参することで手続きができます。
これらの身元確認書類がない場合には、あらかじめハローワークへ確認の上、健康保険証や住民票、印鑑証明書など2点を準備しましょう。

いろんな書類が必要なんだね〜

ちゃんと書類を用意して手続きしてね
失業認定を受ける
基本手当を受給するには、4週間に1回、失業認定を受ける必要があります。
失業認定日にハローワークへ行き、求職活動実績を申告しましょう。
求職活動実績がないと基本手当を受給できないため、定期的に求職活動を行うことが必要です。

仕事探しは、ちゃんとしないといけないんだね〜

手当をもらえなくならないように、仕事探しを進めていこうね
求職中にアルバイトしてもいい?
休職中でも、少しでも収入を増やすために、アルバイトなどを考えているかもしれません。
ただ、アルバイトをするタイミングや就労時間などによっては、手当をもらえなくなってしまう可能性があるので注意しましょう。
休職中のアルバイトは、次の点を気をつけてください。
待機期間中(7日間)はアルバイト不可
給付制限期間や受給中のアルバイトは可能だが、申告が必要
週20時間以上の勤務は「就職」とみなされるので注意

休職中でも、アルバイトをしていいんだね〜

アルバイトをするには条件があるから、気をつけてね
不正受給は厳禁!
収入を申告せず、後で発覚すると不正受給とみなされてしまいます。
不正受給とみなされると、「受給停止」、「返還命令」、「受給額の2倍の罰則金」が科される可能性があります。
返還する手当のほかに、受給した2倍の支払いが必要なので、実質3倍の金額を支払う必要が出てきてしまいます。
正しく収入申告して、罰則を受けないように気をつけてください。

ちゃんと収入の申告をしないとダメなんだね〜

収入申告をしないことで、大きく損をしてしまうから、忘れずに申告しておこうね
まとめ
✅会社を退職したら、雇用保険の求職者給付を忘れずに申し込もう
✅基本手当を受給できる期間は退職の翌日から1年なので、申込みが遅くならないようにしよう
✅早めに再就職をすると再就職手当をもらえるので、うまく活用していこう
✅アルバイトをするときは、就職とみなされないように注意しよう
✅不正受給で罰則を科されないように、忘れずに収入申告をしよう
失業保険(基本手当)は、失業しているときに受け取れる生活を支える大切な制度です。
でも、受給するためにはハローワークでの手続きや、どういう条件で手当を受給できるかを押さえておかないと、少ない金額の手当しかもらえないかもしれません。
特に申請のタイミングが遅れると、受給できる期間が短くなったり、もらい損ねたりするケースもあるため注意が必要です。
また、退職理由によっても受給条件や支給開始時期が大きく変わるため、離職票の内容は必ず確認しましょう。
早期に再就職できた場合には、再就職手当として、残りの基本手当の一部を受け取れる嬉しい制度もあります。
正しい知識を身につけ、計画的に行動することで、失業中の経済的な不安を減らし、次のステップに向けた準備をスムーズに進めましょう。

S先生ありがとう!
会社を退職して、無収入になるのが心配だったけど安心できたよ!
手当をもらえるように、ちゃんとハローワークで手続きするね!
そうと決まれば「猪突猛進!」

失業中に安心して仕事探しができるように、雇用保険の失業等給付の内容を押さえておきましょう
制度をよく知らずに、手当をもらい損ねることがないようにしましょうね
弁護士監修の退職代行で、安心して退職しよう!
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