住民税の通知書が届いて内容を確認してみると、ふるさと納税をした金額が、実際に寄付をした金額よりも少ないということがあります。
ふるさと納税の寄付金控除額が少ないと、ふるさと納税の上限額を超えてしまったのかと不安になりますよね。
ふるさと納税の控除額が上限を超えたのか、損をしていないのかということをファイナンシャルプランナーのSが解説します。
相談
住民税の通知書が届いたので、住民税が安くなっているのか確認しようと思い、内容を確認しました
住民税の通知書を見ても、ふるさと納税をした金額よりも少ない金額しか減税になっていないようでした
これは、ふるさと納税の限度額を超えてしまい、損をしてしまったということなのでしょうか?
住民税から減税された金額が、ふるさと納税をした金額よりも少ない金額だったのですね
必ずしも限度額を超えてしまったとは限らないので、どうして住民税の減税額が少ないのかを一緒にチェックしていきましょう
この記事は一例のため、個々の事例については、自治体などへご確認ください
前提条件
✅年齢:28歳
✅職業:会社員
✅給与収入:400万円
✅所得控除:116万円(ふるさと納税除く)
※住民税の所得控除額は108.6万円
✅ふるさと納税額:3.9万円
✅住民税からの寄付金控除額:35,112円
3.9万円分が住民税から引かれるのかと思っていたのですが、だいぶ金額が少ないですよね
お得だと思って、ふるさと納税をしすぎたのではないかと、とても後悔しています
落ち着いて1つずつ内容を確認していきましょう
相談者様は、確定申告はされていますか?
はい
年末調整で生命保険の証明書を出し忘れたので、確定申告をしました
その際に、ふるさと納税の寄付金額をもれなく記載していますか?
ワンストップ特例を申請していても、確定申告書にも記載しないといけないと聞いたので、ちゃんと記載しています
ふるさと納税は全額が減税されるわけではない
限度額以内でふるさと納税をすれば、全額が減税されますよね?
残念ですが、ふるさと納税をした全額が減税されるわけではありませんよ
え?
そうなんですか⁉︎
ふるさと納税では、どれくらい減税されるものなのですか?
寄付金控除額🟰寄付金額➖2千円
限度額以内であれば、ふるさと納税の減税額は、寄付金額から2千円を引いた金額が控除されます
ちょっとだけ損をしてしまうということですか?
ふるさと納税は、住民税からの減税額が、ほかの寄付金控除と比べると高く設定されています
また、ふるさと納税では、各自治体から返礼品をもらえるので、トータルで見ればお得な制度ですよ
住民税からの減税額が少なかった原因は?
ふるさと納税をした金額が、全額減税されないことはわかりましたが、それでも減税されている金額が少ないです
これは、どうしてなのでしょうか?
相談者様の場合、住民税からの減税額が少なくなっている原因は、確定申告をしたことにあります
え?
確定申告をすると、損をしてしまうということですか?
そうではなく、確定申告をすると、所得税と住民税の両方からそれぞれ減税されます
住民税だけではなく所得税の状況も確認しないと、適切に減税されているかがわかりませんよ
確定申告をした人は、確定申告書と住民税通知書の両方を確認しよう
たしかに、確定申告書にも何か記載されていたような…
確定申告書も一緒に見比べてみましょう
所得税での減税額は、ふるさと納税適用前➖ふるさと納税適用後の所得税額
81,680円➖79,791円🟰1,889円
住民税の減税額は、35,112円
合計すると、約3.7万円になりますね
損をしていたわけではなかったのですね
確定申告書と住民税の通知書を両方とも見る必要があったということですか…
ワンストップ特例を受けている方は、住民税の通知書だけで確認できますが、確定申告した方は、両方確認する必要がありますよ
どうやって限度額を超えていないか確認する?
今回は、ふるさと納税の限度額を超えていなかったようなので安心しました
でも、限度額を超えているかを確認するには、どうすればいいのでしょうか?
今年の分の限度額を確認したいということなら、楽天市場ふるさと納税詳細版シミュレーターがおすすめですよ
昨年行なったふるさと納税の限度額ということであれば、次のような方法があります
自治体の住民税担当部署へ問い合わせる
確実な方法の1つとしては、自治体の住民税担当部署へ問い合わせすることです
住民税を計算しているのは自治体なので、限度額を超えているかどうかは確認できると思います
今年のふるさと納税の限度額を自治体へ確認することはできますか?
それは難しいと思います
自治体で確認できるのは、すでに課税された住民税の計算に関する範囲だけになる可能性が高いです
今年の限度額は、ふるさと納税シミュレーターを使って、ご自身で確認していただく必要がありますね
今年のふるさと納税限度額は、自治体で確認するのは難しい
そうなのですね
問い合わせる際は、電話などでもいいのでしょうか?
個人情報保護のため、電話だと回答してもらえない自治体があるかもしれません
できれば住民税の通知書を持参して、窓口で確認されるのが確実だと思いますよ
平日に役所へ行くのは厳しいです
自分で確認できる方法は、何かないのでしょうか?
住民税シミュレーションシステムを活用する
すべての自治体ではありませんが、住民税シミュレーションシステムが自治体ホームページで公開されています
住民税シミュレーションシステムで、ふるさと納税の限度額を超えているか確認できるのですか?
本来は、住民税申告書を作成するためのシステムのようですが、ふるさと納税の限度額なども確認することができます
私も住民税の検算に使いましたが、精度は高いですよ
でも、税金のシステムだから、入力が複雑ではないのですか?
以前に、住民税シミュレーションシステムについて紹介しているので、ご覧になってみてください
入力に関しては、思いのほか難しくないですよ
まとめ
ふるさと納税の減税額は、寄付金額➖2千円
確定申告をすると、所得税と住民税からそれぞれ減税される
限度額を超えていないかは、自治体へ問い合わせてみよう
窓口へ行けない人は、住民税シミュレーションシステムを活用しよう
ありがとうございました
ちゃんと減税されていることがわかって安心しました
限度額を超えていないか、減税額が正しいかなどは、自治体へ確認したり、住民税シミュレーションシステムを活用したりして確認していきたいと思います
ふるさと納税の減税額が少ない理由は、いくつものパターンがあります
不安なときは、自治体へ問い合わせなどをして、減税額が正しいかを確認してみてください
ほかにもご質問があれば、コメントやお問い合わせフォームから、お気軽にお問い合わせくださいね!
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