さまざまな事情で、会社を退職することがあると思います。
普段は、年末調整の書類を出して、年末年始くらいに源泉徴収票を受け取っているでしょう。
でも、会社を退職したら、いつ源泉徴収票をもらえるのでしょうか?
転職先や役所などから、源泉徴収票を提出してほしいと言われたときに、退職した会社から源泉徴収票をもらっていないと不安になりますよね。
退職後にあなたが困らないように、退職後の源泉徴収票の使い道や、退職した会社から源泉徴収票をもらえるタイミングを解説します。
✅源泉徴収票は、転職先の会社で年末調整をするために必要
✅転職して年末調整をしないなら、確定申告で使うことになる
✅年末調整済みの源泉徴収票は、公的な機関に提出する可能性あり
✅会社は、退職後1か月以内に源泉徴収票を発行する必要がある
これらの結論をもとに、順番に解説していきますね
源泉徴収票はなんのために必要?
源泉徴収票は、会社があなたに支払った給与や、あらかじめ引かれた所得税の金額などが記載された書類です。
会社員の場合、年末調整をしてから、12月から1月くらいに、会社から渡されていると思います。
この源泉徴収票は、あなたにどれくらいの給与収入があるのか、どれくらい所得税を支払ってきたかの証明になるものです。
そのため源泉徴収票は、確定申告やさまざまな手続きの際に使用することなります。
源泉徴収票って、もらっておいたほうがいいものなのかな?
いろいろな手続きで必要になる可能性があるから、退職した会社にちゃんと交付してもらおうね
源泉徴収票は転職先の年末調整で使用する
退職時期によっては、会社で年末調整をせずに転職することがあると思います。
その場合には、転職前の会社から受け取った源泉徴収票を使って、転職先の会社で年末調整を行います。
転職前の会社の給与と転職先の給与を合算して、1年間の給与所得に対する税金の精算をすることになるのです。
転職先でも使うんだね
退職した会社で年末調整していない場合は、転職先の会社で使うことになるよ
転職前の会社から受け取った源泉徴収票は、本来なら年末調整をして、会社から受け取った給与の金額や生命保険などの控除額、その年の精算された所得税額が記載されます。
しかし、年の途中で転職すると、転職までに支給された給与額や精算されていない所得税額が記載されることになります。
転職先の会社へ源泉徴収票を提出して、年末調整をしてもらうようにしましょう。
転職先で年末調整できない場合は、税金の精算はどうするんだろ〜?
転職先で年末調整できない場合や、転職をしない場合は、確定申告をすることになるよ
年末調整ができない場合は確定申告が必要
転職のタイミングによっては、転職先の会社で年末調整ができない場合があります。
また、会社を退職後に、転職をしないという人もいるでしょう。
その場合には、ご自身で確定申告をすることになります。
確定申告って、しないとダメなのかな〜
年末調整していないなら、確定申告は必要だよ
税金を精算しないと、税金の払い過ぎになる可能性があるから、ちゃんと確定申告しようね
年末調整をしていなければ、生命保険料控除や扶養控除、住宅ローン控除など、所得税を安くする控除を受けることができていません。
所得税の確定申告をしなければいけないという義務はありますが、それ以上に余計な税金を支払うことにつながるため、源泉徴収票を使って確定申告をする必要があるのです。
確定申告は、2月16日から3月15日までの期間で行うことになります。
確定申告なら、国税庁の確定申告作成コーナーを活用しよう⬇️
ご自身で確定申告できる場合は、国税庁ホームページの確定申告作成コーナーや会計ソフトを利用して確定申告をしましょう。
ご自身だけで確定申告が難しいと感じるなら、税務署の確定申告会場や自治体の確定申告相談会場なら、職員の方が確定申告書作成のサポートをしてくれるので安心ですよ。
税務署や自治体の会場に行けば、ちゃんと確定申告できるかな〜
担当者の人たちがサポートしてくれるから、がんばってみようね
不安なら、確定申告時期が来る前に、源泉徴収票などを持って相談に行ってみよう
年末調整済みの源泉徴収票は公的な機関へ提出する可能性がある
年末調整が済んで発行される源泉徴収票は、役所や金融機関などのような、公的な機関へ提出することがあります。
その際に源泉徴収票は、給与にかかる1年間の収入の証明として利用されます。
会社を退職した段階で、年末調整済みの源泉徴収票が渡された場合には、公的機関へ提出する可能性を考えて、大切に保管するようにしましょう。
年末調整が済んでいない源泉徴収票を渡された場合は、確定申告をすることで、確定申告書の控えが収入を証明する資料になります。
源泉徴収票って、収入を証明するものなんだね〜
あくまで給与収入を証明するものだけど、いろいろな手続きに必要になる可能性があるから大事に持っておきたいね
源泉徴収票はいつもらえるの?
転職先での年末調整や、確定申告をする際に必要になる源泉徴収票ですが、退職してからどれくらいで発行されるのでしょうか。
いつまでたっても、退職した会社からもらえないのでは不安になってしまいますよね。
会社しだいなんじゃないかと思うかもしれませんが、いつまでに会社が交付しなければいけないかは、実は法律でも決まっています。
いつも12月か1月に源泉徴収票をもらっているから、退職したときも同じなんじゃないのかな〜
退職のタイミングによっては、それくらいの時期に交付されることがあるけど、基本的にはもっと早くもらえるはずだよ
法律上は退職から1月以内に交付しなければいけない
通常であれば年末調整を終えて、12月から翌年1月までの間に源泉徴収票が、会社から渡されます。
会社を退職した場合、所得税法上では、退職から1か月以内に源泉徴収票を交付する必要があると記載されています。
(源泉徴収票)
所得税法より抜粋
第二百二十六条 居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(第百八十四条(源泉徴収を要しない給与等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる給与等を除く。以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した給与等について、その給与等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その年の翌年一月三十一日まで(年の中途において退職した居住者については、その退職の日以後一月以内)に、一通を税務署長に提出し、他の一通を給与等の支払を受ける者に交付しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより当該税務署長の承認を受けた場合は、この限りでない。
しかし、会社の担当者が、所得税法の決まりを知っているとは限りません。
そのため、通常の源泉徴収票と同様に、12月や1月に源泉徴収票を交付すればいいと担当者が考えている場合があるので注意が必要です。
会社の担当者が、法律のことを知ってるとは限らないのか〜
法律の決まりがあることは、意外と知らない人が多いかもしれないね
会社の状況によっては1か月以上過ぎても源泉徴収票が交付されない場合がある
法律上は1か月以内に源泉徴収票を交付することになっていても、会社の状況によっては1か月以上の時間がかかる場合があります。
年末調整をした場合には、ほかの社員と同じタイミングで、源泉徴収票が交付されることもあるでしょう。
源泉徴収票を交付する担当者が少ない場合や、従業員や退職者の人数が多い場合には、源泉徴収票の交付が遅くなってしまうことがあるかもしれません。
もし、退職から1か月を過ぎても源泉徴収票が交付されない場合には、会社の担当者へ所得税法で1か月以内に交付が必要な旨を伝えて、会社の反応を伺ってみてもいいかもしれません。
どれくらい期間が過ぎたら、退職した会社に話せばいいんだろ〜?
退職から1か月を過ぎたあたりで、1度確認してみてもいいかもしれないね
会社が対応してくれない場合は、最寄りの税務署へ相談しよう
いくら法律のことを伝えても、会社によっては対応してもらえない場合があります。
その場合には、最寄りの税務署へ相談してみましょう。
源泉徴収票の取扱いは、税務署が担当しています。
そのため、税務署へ相談することで、会社に対して指導してもらえる場合があります。
源泉徴収票が交付されないときは、税務署へ相談しよう
もし、それでも対応されない場合には、源泉徴収票が交付されない場合の確定申告の方法について教えてもらいましょう。
状況によっては、給与明細などをもとに確定申告が可能な場合があるので、税務署の指示に従って確定申告をするようにします。
まとめ
✅源泉徴収票は転職先や確定申告などに使用する
✅退職の場合、会社は1か月以内に源泉徴収票を交付しなければいけない
✅なかなか源泉徴収票が交付されないときは、法律で交付しなければいけない期間を伝えてみよう
✅それでも交付されないときは、管轄の税務署へ相談しよう
会社を退職後に交付される源泉徴収票は、年末調整や確定申告などに使用する大切な書類です。
退職の場合の源泉徴収票の交付時期は、退職から1か月以内と決まっています。
退職した会社から、源泉徴収票がなかなか交付されないと不安だと思います。
そのときは、会社に法律で交付時期が決まっていることを伝えてみて、それでも交付されないときは税務署へ相談してみましょう。
源泉徴収票がちゃんと交付されるように、行動してみてくださいね。
S先生ありがとう!
源泉徴収票を発行してもらえるように、退職した会社へ伝えてみるね!
そうと決まれば「猪突猛進!」
源泉徴収票交付の決まりをしっかり押さえて、会社から源泉徴収票をもらえるようにがんばってね
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