✅ドルコスト平均法とは
✅ドルコスト平均法は最強の投資法ではない
✅ドルコスト平均法にこだわるより大切なこと
これらの内容について、相談者様のお悩みにお答えしていきますね
相談
毎月1万円ずつ、余剰資金を株式投資信託をドルコスト平均法で積立てしてきました
昇給して収入が増えてきたので、資金にも余裕がでてきました
毎月の積立て額を増やそうかと考えましたが、ドルコスト平均法を崩すのは良くないような気がして悩んでいます
積立て額を増やして、ドルコスト平均法を崩しても問題ないのでしょうか?
ドルコスト平均法で、毎月積立て投資をされているのですね
積立て額を増やせる状況になると、今までのドルコスト平均法を崩していいのか悩んでしまいますよね
今後の積立て投資の方向性について、一緒に確認していきましょう
前提条件
✅家族構成:ひとり暮らし
✅年齢:28歳
✅職業:会社員
✅手取り収入:330万円
✅年間支出:260万円
✅保有資産:250万円(うち、預貯金:200万円、株式投資信託【eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)】:50万円)
✅積立て額:月2万円
1年半前から投資を始めて、毎月2万円ずつ積立ててきました
最近余裕が出てきたので、頑張って月5万円ずつの積立てに変えようかと思っています
ただ、毎月定額の積立てをしてきたので、積立て額を変えてドルコスト平均法を崩してもいいのか悩んでいます
毎月2万円ずつ投資に回すことができているのは素晴らしいですね
まず、ドルコスト平均法とはどういうものなのかを確認していきましょう
その上で、今後の投資方針を考えてみましょう
ドルコスト平均法とは
ドルコスト平均法は、投資のリスクを低減するための効果的な手法として、投資家に広く知られています。
株価は常に変動しますが、ドルコスト平均法では価格が高い時には少量を購入し、価格が低い時には多くを購入します。
これにより、長期的には平均購入単価が安定し、相場の変動によるリスクが平準化される効果があります。
価格が高いときに少額を購入して、価格が低いときに多く購入することで、どんなメリットがあるんですか?
ドルコスト平均法を使うことによって、平均購入単価を下げる効果があります
平均購入単価が下がることで、市場の平均価格よりも有利な価格で運用をしていくことができますよ
日数 (◯日目) | 株価(円) | 購入数量(口) | 平均購入単価(円) | 平均株価(円) |
---|---|---|---|---|
1 | 100 | 1 | 100 | 100 |
2 | 150 | 0.67 | 120 | 125 |
3 | 75 | 1.33 | 100 | 108 |
4 | 113 | 0.88 | 103 | 109 |
5 | 169 | 0.59 | 112 | 121 |
6 | 253 | 0.40 | 123 | 143 |
7 | 127 | 0.79 | 124 | 141 |
平均株価よりも安い価格で購入していけるんですね
平均よりも有利な価格で購入していけることが、ドルコスト平均法のメリットですね
株価が暴落した場合、ドルコスト平均法で投資を続ければ、安値で多くの株式や投資信託を購入することができます。
株価の下落は、投資家にとっては大きなストレスになりますが、徐々に積立てしていくことでゆっくりと値動きに慣れていくことができます。
また、平均購入単価が下がることで、下落局面から抜けたあとの投資リターンの回復も早くなるメリットがあります。
ドルコスト平均法には、いくつものメリットがあるんですね
ドルコスト平均法では、毎月一定額で積立てをするため値動きによるストレスを抑えながら投資を続けていけます
また、株価が上昇に転じていけば、平均購入単価が低いほどマイナスからの回復も早くなっていきます
ドルコスト平均法で積立てしている投資家には、むしろ暴落を期待する人がいるほどですよ
ドルコスト平均法は最強の投資法ではない
ドルコスト平均法って、めちゃくちゃすごいじゃないですか
これなら、みんなドルコスト平均法を使っていれば、最高の投資結果になりますよね
ドルコスト平均法最強ですね!
ドルコスト平均法は、投資に慣れていない人にとっては、値動きによるストレスを減らすことができますし、コツコツ投資を継続するのに適した手法です
ただ、ドルコスト平均法は最強の投資法ではないのですよ
全世界や全米などの株式指数は、長期的に見れば右肩上がりに成長しています。
ドルコスト平均法で時間分散する手法は、投資を継続するのには適していますが、株価の下落が少なく上昇が続く相場では、平均購入単価が高くなってしまいます。
右肩上がりに成長していく投資先であれば、可能な限り早いタイミングで一括投資をしていくほうが高いリターンが期待できます。
一括投資するほうが、投資のリターンが高いんですか?
投資タイミングや投資年数にもよりますが、資産をリスクにさらしている量が多い分、一括投資のリターンが、分散投資のリターンを上回ることが多いですね
ドルコスト平均法については、一定のメリットがある一方で、あくまで気休めとする意見もあります。
これまで株式投資に回してきた資産自体のリスクが下がるわけではありませんし、定額ではなく定数で投資するよりも有利になるような性質ではないというものです。
金融論的にはドルコスト平均法には「気休め」以上のメリットはありません。過去の買い方によって現在持っている資産のリスクが減る訳ではありませんし、株式のようなリスク資産の価格変動に、ドルコスト平均法が定期一定口数投資よりも有利になるような性質がある訳でもありません。この点を正確に理解していない書籍や著者が少ないのは些か残念です。
毎月一定額の積立投資には、計画的に投資額を増加させやすく、将来に向けた貯蓄とリスク資産への投資を統合しやすい「実行上の長所」があり、メリットの説明としてはこれで十分です。
山崎元、水瀬ケンイチ共著 全面改訂 第3版 ほったらかし投資術より引用
いろいろな方の発信で、ドルコスト平均法が持ち上げられていますが、意外と最強の投資法というものでもないんですね
投資を継続していくという部分にフォーカスすれば有効な手法だと思いますが、最強の投資法とまではいえないところですね
ドルコスト平均法にこだわるより大切なこと
ドルコスト平均法が、最強の投資法ではなさそうだなと感じました
それでも、投資を継続していくなら、ドルコスト平均法を崩さないほうがいいでしょうか?
ドルコスト平均法は、投資の目標を達成するための手段のひとつです
相談者様の投資目標を達成するために、このままの投資を続けるのが適切なのかを考える必要がありますね
収入や生活状況に応じて投資額を調整することは、特別に問題のあることではありません。
収入が増えた場合には、積立て額を増やすことで、将来的な資産形成のペースを加速させることができます。
自分なりの投資方針を固めて実行していくことは大切ですが、1つの手法に固執せず、状況に応じて戦略を柔軟に変えていくことも同時に大切です。
ドルコスト平均法が最強の投資法じゃないなら、その都度、投資できる金額を投資すればいいでしょうか?
ドルコスト平均法にこだわる必要はありませんが、目標達成に向けた計画的に投資を進めていくことは大切ですよ
また、インデックス投資を進めていくなら、投資の舞台から降りてしまわないことが大切なので、無計画な投資はおすすめできないですね
インデックス投資においては、株価の暴落や下落局面で投資をやめてしまうことを避ける必要があります。
投資をやめずに継続することが大事
無計画に投資をしてしまうと、株価の下落に耐えられず投資をやめてしまう可能性が高くなってしまいます。
いざ暴落などが起きた際に、投資をやめてしまうことにならないのであれば、ドルコスト平均法にこだわる必要はありませんし、計画的に積立て額を増減していくことは問題ありません。
投資の目標を決めて、目標を達成するための計画に沿って、必要な金額を積立てていくようにしましょう。
ドルコスト平均法にこだわるよりも、投資の目標に向かって、自分自身が投資を継続していける手法を選択していくことが大切なんですね
まとめ
✅ドルコスト平均法は、投資を継続するには適している
✅ドルコスト平均法が、ほかの投資方法よりリターンが絶対的に有利というわけではない
✅ドルコスト平均法にこだわらず、投資を継続しやすい手法で進めることが大事
ありがとうございました
自分の投資目標を達成するために、ドルコスト平均法にこだわらずに投資をしようと思います
ただ、無計画な投資にならないようにしつつ、柔軟に積立てを継続していきたいと思います
必ずしもドルコスト平均法にこだわる必要はないので、生活状況の変化に合わせて、計画的な投資を進めてみてください
相談者様の目標が達成できるように、これからもお手伝いしていきますね
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