この記事を読めば次のことがわかります。
✅金投資の種類
✅投資手法ごとのメリットデメリット
✅投資手法ごとの金の購入方法
✅ 金を売却する時にかかる投資手法ごとの所得税・住民税の違い
金に投資するにはどんな方法があるの?
金に投資する方法として、大きく分けると次のような方法があります。
✅現物(金地金・金貨など)を購入する
✅ETFを購入する
✅投資信託を購入する
✅純金積立で購入する
それぞれの投資方法でのメリットデメリットなどを順番にお伝えしますね。
現物購入【金地金】
金地金とは、金の延べ棒のことです。
金と言えば、この金の延べ棒をイメージする人が多いのではないでしょうか。
金地金の購入方法
金地金を購入するなら、貴金属業者のウェブサイトや直営店で直接購入するのが一般的です。
有名なところだと、田中貴金属工業、三菱マテリアル、石福貴金属興業などがあります。
田中貴金属工業
三菱マテリアル
石福金属興業
会社によって購入までの手順や必要書類等が違うので、あらかじめ購入手順を確認しておきましょうね。
金地金のメリット
✅500g以上の金地金なら、購入時手数料、売却手数料がかからない。
※ただし、金地金を購入した会社と売却する会社が違う場合には、500g以上でも売却手数料がかかったり、売却価格が割り引かれたりする可能性があります。
✅売却益が50万円以下なら、所得税・住民税がかからない
金地金の売却益は、基本的には総合譲渡所得に分類されます。
総合譲渡所得には、50万円の特別控除があるため、売却益50万円以下なら確定申告不要で、所得税・住民税に影響はありません。
売却益が50万円を超える場合でも、基準日時点で保有年数が5年を超えていれば、売却益に対する所得が2分の1になる特例があるので、税金的にも有利です。
現物だと、売却するときに税金的なメリットもあるんだね!
金地金のデメリット
✅保管場所の確保が難しい
金地金を買って、そのまま適当な場所に置いておくのは難しいです。
金庫を購入して保管したり、貴金属店の保管サービスを利用する方法がありますが、それなりの費用がかかってしまうのが難点です。
✅500g未満の金地金には購入時・売却時手数料がかかる
会社によって手数料の金額は変わりますが、金地金が小さいほど手数料は割高になります。
S先生的には、金地金はおすすめなの?
ぼくはおすすめはしないかな。
保管が難しいのが、1番ネックになるよね。
現物購入【金貨】
金地金ではなく、金貨を購入する方法もあります。
基本的には、金地金と同様に貴金属業者から購入しますが、記念金貨が国などの公的機関から販売されたり、コレクション性の高い収集型金貨などもあります。
ここでは、貴金属会社が販売している金貨に絞って解説します。
金貨の購入方法
金地金と同様に、貴金属業者のウェブサイトや直営店で購入するのが一般的です。
金地金と同様に購入方法については、各貴金属業者のウェブサイトをよく確認しておきましょう。
田中貴金属工業
三菱マテリアル
石福金属興業
金貨のメリット
✅少量なら保管場所に困らない
最も一般な金貨のひとつである1オンスサイズのウィーン金貨で直径が約3.7センチほどです。
このサイズなら、少量であればいろいろな場所に保管が可能性ですね。
✅コレクション性がある
金貨には、オーストリアのウィーン金貨やカナダのメイプルリーフ金貨、オーストラリアのカンガルー金貨などさまざまな種類がありますが、同じ金貨でも製造年によって絵柄が違うため、コレクションとしても集めたくなりますね。
✅売却益が50万円以下なら、所得税・住民税がかからない
金地金と同様に売却益は基本的に総合譲渡所得に分類されます。
50万円の特別控除や保有期間5年超での長期譲渡所得の2分の1特例を受けられるので、税金的なメリットが大きいですね。
金貨によっては、製造年でデザインが違う物もあるので、コレクションとしても魅力がありますね。
金貨のデメリット
✅保有量が多くなると保管場所の確保が難しい
少量なら保管場所にさほど困らない金貨ですが、保有量が多くなってくると金地金と同様に保管場所確保に困ります。
保管場所を分散して保有することもできますが、管理が大変になりますね。
✅購入と売却の価格差が大きい
金貨は購入時にプレミアムが上乗せされて販売されています。
それに対して、売却時はプレミアムが上乗せされない取扱いをしている貴金属業者が多くなっています。
それにより、2023年5月1日現在の1オンスあたりのスプレッドは、日本円で28,000円程度となっています。
購入価格310,000円に対し、売却価格282,000円というイメージです。
この価格差が埋まるには、それなりに長い時間が必要となります。
有事があれば一気に価格が上昇することがありますが、短期ではなく中長期の保有を考えたいですね。
購入価格と売却価格でだいぶ差があるんだね。
そうだね。
金単体だとこの価格差が埋まるまで時間がかかるから、ある程度の投資期間を考えておく必要があるね。
金ETFを購入
金には、金価格などに連動するETFがあります。
SBI証券や楽天証券などのようなネット証券の証券口座を開設していれば、スマホひとつで株式等のETFを売買するのと同様に売買ができます。
金ETFの購入方法
ネット証券なら、証券口座のマイページから他のETFと同様に、リアルタイムでの買付けができます。
有名な金ETFの銘柄としては、GLD、AIU、GLDMなどがあります。
金ETFのメリット
✅保管場所に困らない
現物購入では保管場所や保管方法を気にしなければいけませんでしたが、証券口座内に電子データとして保有しておけるのがETFの強みのひとつです。
✅経費率が低い
金ETFの経費率はGLDで0.4%、経費率の低いGLDMで0.13%となっています。
米国株式のETFと比較すれば高く感じるかもしれませんが、0.5%を下回っていることからも十分に低い経費率と言えます。
✅売買がスマホ内で完結する
現物では、店舗での売買が基本になります。
購入時はオンラインで購入したとしても、売却時は店舗へ行かなければいけません。
ETFならスマホがあれば、いつでもどこでも売買ができるのでお手軽ですね。
経費率の低さや保管場所を考えなくていいのが魅力ですね。
金ETFのデメリット
✅定額購入・定期購入ができない
米国株式・ETFでは自動定期購入できる証券会社が出てきていますが、金ETFは自動定期購入ができません。
また、他のETF全般と同様に定額購入もできないため、ドルコスト平均法による購入価格の平準化は難しくなります。
手動で購入する必要があるところは、若干手間になるかもしれませんね。
✅外貨建てETFの場合はドル転・円転が必要
他の外貨建てETFと同様に、購入時はドルを円に、売却益を引き出したい場合は円をドルに変える必要があります。
他のETFと同様ですが、若干手間と感じるかもしれません。
✅売却益に対して一律約20%の税金がかかる
現物では特別控除などにより、売却益によっては非課税となっていましたが、ETFの場合は利益が出れば、一律で合計約20%の所得税・住民税がかかります。
メインの投資先として金を保有する人は少ないと思うので、特定口座でETFを購入する大多数の人にとっては負担になりそうです。
最初は良さそうに見えたけど、意外とデメリットもあるんだね。
たしかにデメリットはあるけど、他のETFでも同様のデメリットはあるからね。
売買や保管のしやすさ、リバランスなどを考慮すると、僕はETFでの保有をおすすめするよ。
金投資信託を購入
金にも金の価格に連動する投資信託があります。
ETFと同様に、SBI証券や楽天証券などのようなネット証券の証券口座を開設していれば、スマホひとつで株式等の投資信託と同じように購入できます。
他の投資信託と同様に、少額から購入・積立てすることができるのが特徴です。
金投資信託の購入方法
ネット証券なら、他の投資信託と同様に証券口座のマイページから購入や積立て設定ができます。
ETFと違い、円転・ドル転の必要がなく、円で単元未満から購入できるのが特徴ですね。
金投資信託のメリット
✅保管場所に困らない
ETFと同様に証券口座内で完結するため、保管場所を気にする必要がありません。
✅100円から購入・積立てできる
他の投資信託と同様に、100円からスポット購入・積立て購入ができるのが特徴です。
現物やETFだと単元未満で購入することができないので、この部分は投資信託ならではのメリットです。
投資信託だから少額からお試しで購入できるね。
金投資信託のデメリット
✅運用管理費用が高い
金投資信託の運用管理費用は、人気の全世界株式や米国株式の投資信託と比べると高めの設定になっています。
運用管理費用が0.5%を超える投資信託ばかりで金ETFと比べても費用がかかるので、選択肢に入れにくいですね。
✅売却益に対して一律約20%の税金がかかる
ETFと同様に、売却益には一律で約20%の所得税・住民税がかかります。
NISA口座で購入すれば、所得税・住民税はかかりませんが、非課税枠を金投資信託に割くかは悩ましいですね。
金は配当や利息が付かないから、運用管理費用が高いのはきびしいね〜
純金積立で購入する
現物やETF、投資信託を購入するほか、純金積立を申し込んで毎月少しずつ積立てていく方法があります。
一昔前はETFや投資信託が少なく、純金積立で毎月少しずつ金を積み立てるという人もいました。
証券会社でも純金積立に参入しているところがあるので、昔よりはハードルが下がっていますね。
純金積立の方法
昔は、田中貴金属や三菱マテリアルなどの貴金属店のウェブページから申し込むのが一般的でした。
今でも、貴金属店のウェブページから申し込みはできますが、最近ではSBI証券や楽天証券などの証券会社でも純金積立ができるようになっています。
○証券口座を持っている人は、証券会社のウェブページを確認してみましょう。
SBI証券
楽天証券
○証券口座を持っていない人は、貴金属店のウェブページから確認してみましょう。
田中貴金属工業
三菱マテリアル
石福金属興業
純金積立のメリット
✅月々数千円から積立てができる
毎月少額からドルコスト平均法で積立てられます。
✅保管場所を気にする必要がない
基本的には、ネット内だけで完結できるので、保管場所を心配する必要がありません。
✅一定数量溜まると現物に交換することもできる
現物の金を持ちたくなったり、現物が欲しいけど、一括で購入するのが難しい人にとっては嬉しいサービスですね。
✅売却益が50万円以下なら、所得税・住民税がかからない
金地金や金貨と同様に売却益は基本的に総合譲渡所得に分類されます。
所得税や住民税の優遇措置があるのは嬉しいですね。
金の現物に替えることもできるんだね〜!
純金積立のデメリット
✅買付けや積立てに手数料がかかる
ETFや投資信託と比べても、手数料は高い金額や割合が設定されています。
1%超の買付け手数料や積立て手数料がかかってしまうのは大きいですね。
S先生的には、純金積立はおすすめなの?
手数料が高いのがとても大きなデメリットだね。
手数料の高さは最終的なリターンに与える影響が大きいから、なかなかおすすめしにくいね。
最後に
S先生ありがとう!
金への投資手法ごとのメリットデメリットや税金の違いを知ることができたから、これでぼくも金へ投資できそうだよ!
そうと決まれば、「猪突猛進!」
自分に合う方法で金へ投資してみてね。
いかがだったでしょうか。
今後も金への投資が注目されていくと思いますが、投資方法によってメリットデメリットがあります。
税金面も考慮すると、どの方法で金へ投資していくかで出口戦略が変わってきます。
メリットデメリットを理解した上で、自分の投資スタイルや環境に合う方法で投資をしていくことが大切ですね。
この記事があなたのお役に立ちますように!
それではまた。
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