この記事を読んでいるということは、あなたも会社をやめようと思っているのではないですか?
退職後の住民税の支払いに備えておかないと、あとから大きな金額の請求がきて苦しい思いをすることになるかもしれません。
そのようにならないために、自治体税務の経験があるファイナンシャルプランナーのSが、退職後に支払いが必要な住民税について解説していきます。
✅退職後に収入がなくなっても住民税の残額の支払いが必要
✅退職時期によっては、最後の給料から一括で引かれることも
✅給料から一括で引かれない場合は、自治体から送られる納付書で納付が必要
✅退職後にすぐ転職するなら、給与天引きの手続きを忘れずに
✅退職時期によっては、次年度も住民税が高いので要注意
この結論をもとに、順番に解説しますね
退職後に無収入でも住民税の支払いは必要
あなたは、退職したら住民税がかからなくなると思っていないでしょうか。
退職によって無収入になったとしても、基本的には住民税の支払いが必要になります。
え?
住民税は今まで給料からちゃんと払ってきたよ?
今まで給料から引かれてきたし、なんで収入がないのに住民税を支払わないといけないの?と思ったかもしれません。
給料から引かれる今年度分の住民税は、6月から始まって翌年の5月までの1年間で支払いします。
たとえば11月末で退職して、12月に支払われる最後の給料から住民税が引かれても、残り5か月分の住民税の支払いがまだ残ることになります。
そんな〜
退職したから収入がないのに、それでも支払わないといけないの?
実は、住民税は今の収入に対してかかる税金じゃないんだよ
住民税は前年の所得に対してかかる税金です。
そのため、今現在で収入がないとしても支払い義務はなくなりません。
会社を退職するなら、退職後の住民税や国民健康保険料などの支払いに備えておきましょう。
退職後の国民健康保険の選び方はこちら⬇️
退職前にお金を貯めておかないといけないね
できれば1年分くらいの生活防衛資金を貯めておきたいところだね
退職時期によって住民税の支払い回数が違うので注意
1〜5月の退職の場合は一括で支払いが必要
退職時期が1月から5月までの場合には、基本的には最後の給料から一括で住民税が引かれることになります。
何らかの理由で最後の給料から引くことができない場合は、退職後に自治体から送られてくる残額分の納付書で一括支払いになります。
一括で引かれるのは、けっこう厳しいな〜
10〜12月退職の場合は、納付書か給料から一括で支払う
退職時期が10月から12月までの場合は、最後の給料から一括で引かれるか、退職後に納付書で一括支払いをするかの選択になります。
さきに支払うか、あとから支払うかの違いではありますが、あとから納付書で支払うほうが、いくらか資金繰りがしやすくなりますね。
住民税の支払い方法については、退職前に勤め先から確認されるので、納付書払いと伝えるようにしましょう。
この時期に退職しても、結局一括で支払わないといけないの?
この時期に退職すると、住民税の納期限が残り1回しかない可能性が高いから、一括支払いになることが多いんだよ
その他の時期の退職なら納付書払いを選択しよう
前述の時期以外の時期に退職する場合にも、一括払いか納付書払いを選択することになります。
この場合は住民税の残りの支払い回数が、2回から3回で支払うことになるので、納付書払いがおすすめです。
基本的には勤め先で選択してくれると思いますが、念のため納付書払いにしたい旨を伝えておくようにしましょう。
できるだけ分割で支払いたいよね〜
退職後は収入が減るから、支払い時期は分散するといいね
転職後の会社で給料から住民税を引きたいなら納付書払いにしよう
中には、今の勤め先から別の会社へ転職する場合があると思います。
転職先の会社で、残額分の住民税を給料から引いてもらいたい場合には、退職後の住民税を納付書払いにする必要があるので注意しましょう。
残額を一括で支払ってしまった場合には、早くても次年度からの給与天引きになります。
転職する場合の住民税手続きの流れ
退職後すぐに別の会社へ転職するなら、住民税の残額を転職先の会社の給料から引いてもらえるように、段取りしておくことが重要です。
あなたがやること | 会社がやること |
---|---|
①住民税の残額の支払いを普通徴収(納付書払い)とするように、転職前の会社の担当者へ話しをする | ③転職前の会社から自治体へ異動届を提出する |
②会社を退職する | ⑤自治体からあなたへ納付書が送付される |
④転職先の会社へ就職後、転職先の担当者へ住民税を給与天引きにしたい旨を伝える | ⑦自治体から住民税特別徴収決定(変更)通知書を受領しあなたへ渡す |
⑥転職先の会社の担当者へ住民税の納付書を渡し、会社から自治体へ特別徴収(給与天引き)の手続きをしてもらう | ⑧通知書に記載された金額が毎月の給与から天引きする |
※自治体から送付される納付書の納期限を過ぎると、住民税を給与天引きにできない可能性が高いので、納付書が届いたらすぐに、会社から自治体へ手続きをしてもらうようにしましょう。
会社の人とちゃんと調整しておくのが大事なんだね
期限ギリギリに急にお願いされても対応できないこともあるだろうから、あらかじめ話しを通しておきたいね
翌年度の住民税への備えをしておこう
今年1年の収入に対する住民税は、来年度にかかってきます。
退職の時期によりますが、翌年度の住民税の金額は、今年度の住民税以上の金額を想定して準備をしておきましょう。
えっ⁉️
今年度と同じくらい住民税がかかるの?
退職時期によるけど、今年度と同じくらいかかると思って準備をしておきたいね
退職後に無収入だとしても、住民税を支払う必要があるので、早いうちから準備をしておきたいですね。
また、ふるさと納税で来年度の住民税を減らすのも効果的です。
退職しても、ふるさと納税は活用できる
退職したから、ふるさと納税が使えなくなるということはありません。
上限額をシミュレーションして、ふるさと納税を活用したいですね。
おすすめのふるさと納税シミュレーターはこれ⬇️
住民税に減免制度はないの?
住民税にも減免制度はありますが、自治体によって減免の内容や基準が違います。
自己都合での退職は対象外の場合、預貯金や資産がほとんどないくらいでないと減免対象外となる自治体も多いので注意が必要です。
減免制度の対象になるかを自治体へ確認しておこう
退職で支払いが難しい場合には、分割納付などの相談に応じてくれる可能性があります。
どうせ払えないからと思わずに、早めに自治体へ相談しましょう。
税金の支払いも相談もしないとどうなるの?
財産を差押えされることもあるから、早めに相談することが大事だよ
まとめ
S先生ありがとう!
退職後の住民税の注意点がわかったから、今から備えておくよ!
そうと決まれば、「猪突猛進!」
しっかり備えておこうね
退職して収入が少なくなっても、基本的には支払いをする必要があります。
支払い方法も最後の給与から一括納付されるのか、自治体から送られてくる納付書で支払うのかで、退職後の資金繰りへの影響が大きくなります。
また、翌年度の住民税へ備えることも大切です。
できるだけ事前に備えをして、退職してから慌てるということがないようにしたいですね。
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